Date:  Wed, 26 Sep 2007 17:10:25 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2007-34号】
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                          No.203 2007/09/26

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┣【プログラミング】Flex2で体験するリッチクライアント[1]
┣【プログラミング】ゆるーいHaskell[13]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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┗【プログラミング】Flex2で体験するリッチクライアント[1]

みなさま、こんにちわ。
さまざまな連載が増え出番が減ってきまして、Macヲタの話題も前回は何だった
け?と忘れ気味です。そうそう、iPhone発売にあわせて携帯電話の話題をした
のですが、あれからiPhoneは値下げされ、iPodのモデルチェンジがあり、何か
と話題にことかかない月日でした。iPod touchは英語以外のWindowsでは正常に
連携できてないようですね。まーその前に、唯一持っている端末がiBookなんで
すが、OSがTiger未満の自分はどうしよう[*1]・・・
来月には新OSじゃないですか!という悩みからポチれずに入れるのですが(TT)

さて、今回から新シリーズとしてリッチクライアントに関する話題を取り上げ
ていきたいと思います。

まずは、Adobe Flash技術を使ったページに挑戦してみましょう。
以前Flashコンテンツを作るには、Flash MXなど専用の高価なエディターが必要
でした。しかし、今日ではFlex2を使えば、いつも使っているエディターで開発
をすることも可能になっています。
Flash技術はリッチクライアントで最もインストール数の多いプラグインの1つ
でしたが、Ajaxの登場でリッチクライアントを取り巻く環境は変わってきてい
るように感じられます。しかし、一方でよりリッチクライアント化が進むこと
により、さまざまな技術に対する理解が深まり、導入が容易になってきている
のも事実だと思います。

■Flex 2とは

Flexは、プログラミング言語を使ってFlashアプリケーションを作るための製品
群を表すもので、Flex製品ラインナップには、以下のようなものがあります。

 ・Adobe Flex 2 SDK (ソフトウェア開発キット)
 ・Adobe Flex Builder 2
 ・Adobe Flex Data Services 2
 ・Adobe Flex Charting 2

Flex 2の2はいわゆるバージョンのようなもので、現在Flex 3がパブリック
ベータで公開されています。

■インストールする

早速Flex 2で開発する環境を作っていきましょう。
本シリーズではWindows XP Proを使った手順を説明をしていきます。

Adobeのサイト
   http://www.adobe.com/jp/products/flex/
へアクセスします。

今すぐダウンロードの中には
 ・Flex Builderを30日間無償で試用(SDK込み)
 ・Flex 2 SDKを利用して、無償でFlexアプリケーションの開発・実装をスタート
 ・Flex Data Services 2 Expressエディションをダウンロード(無償)

の3つのコンテンツがあります。
本シリーズでは、Flex 2 SDKだけを使って進めていきたいと思いますので、
2つ目のリンクをクリックしましょう。
すると、Adobe IDでログインを求められます。Adobe ID自体の登録は無料です
ので、まだな人は登録をしてからログインしてください。
ウィザードどおりに画面を進めると、「Flex 2のダウンロード」画面が表示さ
れます。
「Flex 2 SDK (無償)と日本語パック」の中から、
 ・Flex SDK 「全て | All Platforms | 38,07MB 」
 ・Flex Language Pack 「日本語 | All Platforms | 9,72MB 」
をダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルは、任意のディレクトリに解凍します。

■サンプルを試してみる

まぁ、何はともあれ動かしてみましょう。サンプルはコンパイルされていませ
んので、最初はまずコンパイルすることが必要です。
インストール先のsamples_ja ディレクトリにある「build-samples.bat」を実
行してみましょう。
なお、このバッチファイルではすべてのサンプルがビルドされるので、かなり
時間がかかります。ランチタイムなどしばらくPCを利用しない時間に実行する
のがおすすめです[*2]。

サンプルは、
 ・explorer\explorer.html
      -- Flex2コンポーネント毎の利用方法を試せる
 ・flexstore\flexstore.html
      -- ECサイトのサンプル
 ・hybridstore\hybridstore.html
      -- JavaScriptと連携したECサイトのサンプル
 ・photoviewer\photoviewer.html
      -- フォトギャラリーのサンプル
 ・restaurant\finder.html
      -- Yahoo!グルメのようなサイトのサンプル
 ・restaurant\recentReviews.html
      -- オススメレビューのサンプル

から構成されています。
一つずつ見てみれば、こんなUIのページを作ってみたいという衝動にかられる
でしょう。

■必要なもの

サンプルでもわかるように、リッチクライアント技術を使ったサイトは見栄え
や操作性がHTMLだけでは表現できないすばらしいものであることを体験いただ
けたと思います。
もしこんなすごいページを作るのは大変そうだ・・・と思ったのなら、それほ
どの心配は必要ありません。Flex 2でアプリケーションを作るには、MXMLと
ActionScript、CSSの記述を知っていれば良いのです。
MXMLとはXHTMLのようなもので、ビューの記述をするものです。MXMLはHTMLの記
法と似ているといえるでしょう。習得もHTMLを知っていれば、それほど難しい
ことではありません。
ActionScriptはFlashコンテンツを作る上で重要な言語ですが、JavaやC++など
何かしらのオブジェクト指向言語知識があれば、問題ないでしょう。
CSSは通常のWebページを作るのに使う、スタイルシートと同じようなものです。
MXMLのビュー要素の見た目をCSSで記述するようになっています。
どうですか?少し気分が楽になったのではないでしょうか?

今回はここまでとして、次回からはサンプルをベースに簡単なアプリケーショ
ンの作成手順を解説していきます。(きしだ)

[1] : iPod touch の対応OSはMax OS XかWindowsで、OS XではTigerが必要です。

[2] : 私の環境は、
      Windows XP Pro SP2
      Intel Pentium M 1.73GHz
      2GB RAM
      7200回転HDD
     ですが、20分近くかかりました。
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┗【プログラミング】ゆるーいHaskell[13]

西川です。最近ようやく涼しくなってきましたね。子供の頃は夏はいろいろと
楽しいことも多くて待ち遠しいものでしたが、勤め人にとっては最悪の季節で
す。早く秋になるといいですね。

さて、前回はモナドについてお話ししました。
モナドを記述する際にはdo記法というものをつかうことができます。do記法は
モナド用のシンタックスシュガーです。
論より証拠というわけで前回作ったSampleMonadをつかって紹介します。

ghciを起動します。
$ ghci
(ghciのプロンプトが表示されます)
> > :e SampleMonad.hs
-- SampleMonad.hs --
data SampleMonad a = SampleMonad a deriving Show

instance Monad SampleMonad where
  return x = SampleMonad x
  (SampleMonad x) >>= f = f x

sample :: a -> SampleMonad a
sample x = return x

func1 x = sample x >>= sample . (1+) >>= sample . (2+) >>= sample . (3+)
-- SampleMonad.hs ここまで --
> > :l SampleMonad.hs
> > func1 1
SampleMonad 7

前回のSampleMonad.hsにfunc1関数を追加しました。(>>=)関数をつかって計算
をつなげてみました。普通に読みにくいですよね。
do記法をつかうと同じ処理がもうちょっと読みやすく書けます。
do記法をつかってfunc1と同じ処理をfunc2という名前で関数定義します。

> > :e SampleMonad.hs
-- SampleMonad.hs --
func2 x = do
      x1 <- sample x
      x2 <- sample $ 1 + x1
      x3 <- sample $ 2 + x2
      sample $ 3 + x3
-- SampleMonad.hs ここまで --
> > :r
> > func2 1
SampleMonad 7

このようにdo記法をつかうとモナドの処理を人に読みやすく書けます。
といっても場合によりけりで、do記法を使わないで書いたときのほうが読みや
すい場合もあります。
do記法を使わずに書くと、計算をつなげている、といった感じがしませんか?
結局、適材適所というところでしょうか。

それでは、次回はリストモナドについてお話しします。(西川)
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「起業についてどう思う?」のホントのところ。
先日テレビを見ていたら、現役大学生が「起業したので、就職はしません。」
と話していて、才能がある人はすごいなぁ〜と、びっくりしました。さて、
読者の皆さんは起業についてどんな風にお考えでしょうか?教えてください。

  考えたこともありませんでした。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=0
  会社を立ち上げて、組織を作ってみたいと思っています。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=1
  フリーのエンジニアに憧れています。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=2
  既に起業して組織を持っています。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=3
  現在フリーのエンジニアです。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=4
  会社員がいいです。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=5
  その他。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=6
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=169&choice=7
  ちょっと語らせて!
     詳細をこのメールに返信ください!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「政治は仕事に影響ある?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol168/PlonePopoll_results2
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。メルマガの記事の記事評価は、やっとむ作のスクリ
プトで毎日自動集計されています。結果はスタッフがいつでも見ることができ
るようになっています。評価そのものよりも、多くの人が見てくれているとい
うことで、モチベーションがあがります。手を抜かずにいい記事を書くことが
できているのも、クリックしてくださる読者の皆さんのおかげですね。
ということで、今日もクリック!待ってます!
ちなみに、過去の記事も評価できるんですよ。

さて、オブジェクト倶楽部10月カレンダーの電子データを公開します。
10月は「PFのプラクティス PFの大好物」です。
プラクティスを上手に使って、学習する組織を目指しましょう!
http://www.ObjectClub.jp/special/#calendar


今週の強引な一言
*** 聞いて極楽見て地獄(ことわざ) ***
話に聞くのと実際に見るのとでは、大きな隔たりがあって実際は悪いこと。
評判をそのまま鵜呑みにして、当時まだ新しかった技術を導入し、苦戦した経
験があります。確かに地獄でしたが、おかげさまでたくさんのことを学びまし
た。そう考えると、悪いことばかりでもないようです。
出典参考:故事ことわざ辞典 東京堂出版
(上田雅美)

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