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Date:  Wed, 08 Oct 2003 12:31:52 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部:2003-17号】

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                          No.17 2003/10/08

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┣【新着記事】ソルトレイクレポート公開しました。
┣【UML入門】JudeではじめるUML [5]
┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [5]

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 〇  【新着記事】ソルトレイク・適当レポート 公開しました。
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6月のAgile Development Conferenceでオブジェクト倶楽部の3名と一緒に参加
していたXPJUG関西の牛尾剛さんからの寄稿、「ソルトレイク・適当レポート」
を公開いたします。
牛尾さんがXP-jpメーリングリストに投稿していた内容を、ご許可をいただき、
整形、ADCページからリンクしました。XP-jpをご覧の方は、内容的に変更はあ
りません、ご了承ください。
違った視点からのセッションレポートをお楽しみください。

http://www.ObjectClub.jp/adc/

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┗【UML入門】JudeではじめるUML [5]

実は前回から1ヶ月もたってしまいました。この1ヶ月間、読者の皆さんはど
れぐらいUMLを見たり描いたりしたでしょうか? 私は、Judeの開発をしていま
すので見ない日はほとんどありませんが、皆さんも本や記事でUMLを見る機会が
増えてきているのではないでしょうか?

前回までは、かなり大雑把に寿司注文システムの例で、ユースケース図、クラ
ス図、シーケンス図の基本を見てきました。今回はコラボレーション図を描い
てみましょう。

■コラボレーション図
コラボレーション図は、オブジェクト間のメッセージのやりとりを表現する図
です。前回のシーケンス図も、同様にオブジェクト間の相互作用(メッセージ
のやりとりによる協調)を表現する図でしたので、前回のシーケンス図と共に
相互作用図といわれます。

例を見たほうがはやいですね。この図は、前回のシーケンス図と同じメッセー
ジのやりとりをコラボレーション図で表現した図です。

「コラボレーション図」
http://objectClub.esm.co.jp/ml-arch/magazine/magazine17/jude_UML5.html
「前回のシーケンス図」
http://objectclub.esm.co.jp/ml-arch/magazine/magazine10/jude_UML4.html

オブジェクト図にシーケンス図のメッセージが合わせて表現された図といった
感じです。メッセージの順序は、シーケンス番号で表現するしかありませんが、
オブジェクトを好きな位置に配置し、リンクで結ぶことができます。

シーケンス図は、時間経過がキーになっているのに対し、コラボレーション図
では、オブジェクトの位置関係がキーになっています。

例の図では、オブジェクト数が少なく配置にあまり意味はありませんが、それ
でも注文伝票と注文が近い場所にあり、寿司注文システムと注文伝票間などリ
ンクでつながっているため、関係をもっていることがわかります。

フレームワーク内のオブジェクトと、アプリケーション内のオブジェクトの協
調といったレイヤー間のやりとりに注目したい場合にも、コラボレーション図
ではオブジェクトの配置を工夫することで、見やすくできるのです。

■Judeでコラボレーション図を描いてみる
Jude竹1.2.3 以降を推奨します。実は、それ以前のバージョンではメッセージ
順序の設定がうまくできない問題があるためです。

1) コラボレーション図の作成
 左側のツリーにおいて、操作またはユースケースのポップアップメニューか
 ら「コラボレーション図の作成」を選択します。
 注意:Jude竹1.2.2以前では、コラボレーション図をパッケージやクラスの下
 に作成できません。

2) オブジェクトの作成
 シーケンス図と同様に、オブジェクト作成ボタンにより作成する方法と、ク
 ラスをツリーから図にドラッグする方法があります。ドラッグによる作成の
 方が、クラスの設定が不要で便利です。わかりやすい位置に配置することを
 意識しましょう。

3) リンクの作成
 横線にLがついたボタンで作成します。自オブジェクトのメッセージを呼び出
 す場合に、自分自身へのリンクを追加するのを忘れないように注意してくだ
 さい。

4) メッセージの作成
 矢印にSがついたボタンで作成します。まずリンクをクリックし、マウスをメッ
 セージ送信先のオブジェクト方向へ移動させ、方向を指定します。
 操作の対応付けやパラメータの描き方はシーケンス図と同様です。

5) メッセージ順序の設定
 メッセージをクリックし、プロパティを開きます。そこで、起動者と先行子
 を選択します。次のTipsを参考にしてください。
 http://objectclub.esm.co.jp/Jude/tips/tip08.html
 Indexという欄に望みのシーケンス番号(例:2.1.1)を入力することで、あ
 る程度設定可能になっています。次のバージョンでは、さらにこの部分が改
 善されます、ご期待ください。

クラスの操作の洗い出しや、責務分担を検討する場合に、シーケンス図とコラ
ボレーション図を使い分けて活用していきましょう。
ちなみに、新しいUML2.0仕様では、特にシーケンス図が改善され、コラボレー
ション図は、コミュニケーション図と名前がかわりますね。(岡村)

■今日のUMLクイズ
次のうち正しいものを選択してください(複数)
ア. コラボレーション図は、オブジェクト間のメッセージのやりとりを表現する。
イ. コラボレーション図では、メッセージの順序を表現することができない。
ウ. シーケンス図と比べると、コラボレーション図は、オブジェクトの配置に
  意味を持たせやすい特徴がある。
エ. コラボレーション図では、あるオブジェクト自身がもつ操作を呼び出す場合と、
  その親クラスで定義されている操作を呼び出す場合で、描き方が異なる。
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┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [5]

著者が社会人になり職場に配属されたとき、上司や先輩方から仕事に対する取
り組み方としてよく言われたことが二つありました。一つ目は「ほうれんそう」、
そして、二つ目は「5W1H」でした。

「ほうれんそう」とは、皆さんご存知とはおもいますが、「報告」、「連絡」、
「相談」の略です。意味は、仕事の進捗や問題点を定期的もしくは適宜、上司
や職場のメンバーに「報告」すること、何か不測な出来事などが生じたときに
は速やかに関係者に「連絡」する。そして、問題の解決方法などを「相談」す
ることです。

この「ほうれんそう」は、仕事を円滑に進めるために、メンバー間のコミュニ
ケーション(情報の共有)を取ることを表しています。プロジェクトの運営と
いう観点からの言葉だと思います。
二つ目の「5W1H」とは、「What」、「Why」、「Where」、
「When」、「Who」、「How」の頭文字を取ったものです。存知得な
かった方でも、この頭文字を読めば、意味がお分かり頂いたと思います。この
「5W1H」は、プロジェクトマネジメントの観点から重要であり、マネジメ
ント要素と言えると思います。
それでは、この「5W1H」の意味を確認の意味も含めて、プロジェクトマネ
ジメントの視点からまとめてみたいと思います。

「What」:プロジェクトが「何をするのか」、「何のためにやるのか」、
つまり、目的が明確化されている必要があります。この目的が明確化されてい
ない計画は意味がありません。また、この目的が、プロジェクトの利害関係者
と合致、共有されていることも重要でしょう。

「Why」:目的が明確化されているのであれば、その意義つまり、「なぜそ
れをしなければならないか」の定義付け、もしくは要件も重要です。例えば、
「背景」、「必要な理由」、「問題提起」などがあります。今までの著者の経
験では、この「Why」の定義付けがきちんと出来ていないことが多いような
気がします。この定義付けがないために、プロジェクトに問題が発生した場合、
対策を判断する方向・方針が見出せず、プロジェクトが迷走してしまう、この
ような危険があります。

ちょっと、話が長くなるので、残りは次回にしたいと思います。(事務局長)
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。
寒くなってきました。地元では、毎朝キンモクセイの香りにムセかえりつつ、
犬の散歩をしています。

事務局長の「5W1H」の話を見ていて思い出したのですが、先日某フォーラムに
参加したとき、いくつかの某大手企業の「会議」の原則が紹介されていました。

ある会社さんでは、会議の目的は必ず3種類に分類されるそうで
・情報共有
・決定事項のある会議
・ブレインストーミング
この分類に応じて、決定事項があるなら、その決定事項が決まるまで会議を
行うし、ブレストならば時間を区切って、その時間内で必ず終わるというよ
うな、会議運営が原則となっているとか。

また、別の企業では、こんな内容の標語が会議室に掲げられているそうです。
参加者全員が会議の開始前に、この4項目を確認しなければならないとか。
「会議の目的は何かをわかっているか?」
「アジェンダは持参しているか?」
「自分の会議における役割をわかっているか?」
「会議の結果が何につながるのかわかっているか?」
もちろん、会議の目的や資料を、開催者がきちんと連絡するのが前提だそう。
原文は英語だったし、うろ覚えのメモなので、表現などは違うと思いますが、
なるほどねえ、と思ってしまいました。

プロジェクトでも、会議でも、どんな作業でも、目的や到達点を明確にするこ
とは大事ですね。などと考えてしまったのでした。
そして、ちょっと恥ずかしい話ですが、会議の3分類は目からウロコでした。
(因みに某○野さんからは、「俺はこの3分類は納得できん」とツッコまれま
した。皆さんはどう思いますか?)

(いりさ)

今日のUMLクイズの答え:ア、ウ

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■ 編集代表:平鍋  健児
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